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vol.3 接客の現場とSDGs  次世代人の意識にフィットする教育のカタチ

vol.3 接客の現場とSDGs  次世代人の意識にフィットする教育のカタチ

急速に広がるキーワード「SDGs」

今回の‐Opinion- Educare PLUSでは、「SDGs(※1)」という観点から、次世代型人材教育の“カタチ“について考察してみましょう。

ここ数年でSDGsというキーワードは急速に社会に浸透し、どの業界でも他人事ではなくなりつつあります。
国内でもトヨタ自動車やアサヒビール等の代表的な大手企業のほか、数多くの企業がSDGsに関連した取り組みを始めています。
本業の取り組み自体が地球や地域社会などに良いインパクトをもたらすものはもちろん、従業員のダイバーシティーや女性活躍にも目を配っているもの等も多数あり、どの企業でも取り組みが可能で、多方面からアプローチできるのがSDGsの特徴です。

商業施設(SC)に目を向けてみると、多くのSCがSDGsに関する特設のHPを持ち、SDGs関連のワークショップ等のイベント開催や、建物自体の環境への配慮を開示する等を行っており、SDGsに対する関心の高さが伺えます。

服から服への完全リサイクルを行う日本環境設計の洋服といったサステナブルな商品を取り扱う店舗の拡大等、SCは消費者が気軽にSDGsに触れられる窓口としての役割を果たしているとも言えるでしょう。

※1 SDGs
SDGsとは、“Sustainable Development Goals”の略称で、「持続可能な開発目標」と訳される。2030年を期限とし、社会、経済、環境の調和を追求する目標の枠組みであり、2015年の国連総会において採択された。17のゴール・169のターゲットから構成され、誰一人取り残さず、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指すもの。

海外へ目を向けてみると、SDGsへの意識がひときわ高い北欧・スウェーデンでは、リサイクル品のみを取り扱うSCも登場しています。
取り扱う商品は全てが誰かの廃棄物、モール内の全店舗でリサイクルを行い、販売している究極の循環型商業施設です。

SDGsと購買行動の変化

電通が2022年4月に発表した第5回「SDGsに関する生活者調査」では、SDGsという言葉の認知率は86.0%、全世代間で急伸しており、ビジネス層を越えた広がりを見せています。
SDGsに関心の深い消費者達は、今どのようにモノを購入しているのでしょうか。

同じく電通が行った2021年4月公開の第4回「SDGsに関する生活者調査」では、「SDGsに関する商品・サービス」に対する今後の利用意向が調査されています。
SDGsに関する商品・サービスで今後利用してみたいものの上位は順に、「レジ袋を使わずに済むよう持参する買い物袋等」、「型落ち品、新古品、傷物、不揃いのような機能的には問題のない訳あり品」、「自分の必要な分だけ購入できる量り売り」となっており、「ミニマル(最小限)」「ロングライフ(長期的)」「サーキュラー(循環)」というサステナブルな購買行動の傾向があることが分かります。

SDGs

また、2021年8月に発表された博報堂による「生活者のサステナブル購買行動調査2021」レポートによると、サステナビリティを意識したファッション・アパレル商品の購買意識についての調査では、購買実態、今後の購買意向ともに、「きちんとていねいにつくられたものを買う」という実態、意向がトップとなっています。
中でも、「マイクロプラスチックが出ない素材」、「生産者の生活や人権に配慮したもの」、「フェアトレードなどの認証を受けているもの」等への購買意向が高く、環境や社会、生産者に配慮した商品(サステナブル<エシカル>ファッション)への潜在ニーズが見られます。

各社の調査結果を見ると、SDGsという言葉の広がりとともに、買い物の概念は以下のように変化していると言えるでしょう。

購買行動の変化

◆モノの豊かさから、ココロの豊かさへ
◆「買う」という行動から、「応援する」という行動へ
◆合理的(価格が安い、性能が高い、機能が 多い)から、情緒的(使いやすい、かっこいい、環境にやさしい)へ

接客現場に求められるSDGs教育

このような消費者意識の変化の中、接客の現場はどのように変化する必要があるのでしょうか。

まずは、お客様の意識の変化を鑑み、接客する側がSDGsについての知識を得る必要があります。
動画等を活用したマイクロ・ラーニングの教材等を取り入れ、標準化された教育のもと、SDGsの基本について学び全体の知識の底上げを図ることが重要です。

次に、自社が取り扱う製品をよく知り、SDGsとの関連性を見つけることがキーとなるでしょう。
大手アパレルブランドでは、すべての販売物に二次元バーコード付きのタグをつけ、原材料、生産工程における労働の状況、コーディネート例等を開示することで、SDGsゴールの一つである「12.作る責任、使う責任」に応えています。
お客様へ的確な説明ができるよう、自社製品の生産過程についての勉強会を開くのも一案でしょう。飲食店では、取り扱う食品や使用している食器の素材などについて理解を深めます。

消費者の情緒的な感覚に訴えかけるには、まず商品を知り、好きになること。その商品のことを良く知っていれば、接客の際に良質なストーリーを産み出すことができます。
これらの知識を得た上で、SDGsに適した接客フレーズを考えてみましょう。

SDGs接客フレーズ

◆「長く着られるので環境にも優しいですよ」
◆「暖房をつけなくても良いくらいあたたかいので節電にもなります」
◆「ユニセックスなので、ジェンダーレスにお使いいただけます」
◆「サステナブルな食材を使用しているので、召し上がるだけで環境保護にもつながります」
◆「女性にちょうどいいサイズで、フードロスなくお召し上がりいただけます」

消費者意識の変化の中、我々の教育の“カタチ”も次世代へとフィットさせる必要があります。
それぞれの施設・店舗に即したSDGsの在り方を模索、意識を変革し実力を高めることが、ES・CSの向上へと繋がります。

衆議院議員秘書、TV局アナウンサー、外資系企業管理職を経て、研修企画会社専属講師となり、独立。現在は、総合人材教育 株式会社エデュカーレ代表取締役として1,800社超(CSソリューション実績、講演・研修含む)、受講者数延べ33万人超えの実績を有する。 情熱溢れるコンサルタントとして全国各地にファンを持つ。2012年には、「成果の後ろにリーダーありき」という考えのもと、人を育てる指導者の養成機関である「一般社団法人 人材教育インストラクター協会(略称:EDIA)」を設立し、代表理事に就任。EDIA主催公開講座の開催は30回を超え、企業で活躍する多くのリーダーを輩出している。